Author: Akiko Mori
2023年8月に卒業生の働く様子を見学できたのでご報告します。
Kくんは、2020年2月に念願だった自動車整備科に入学するもコロナで学校が開講後、すぐ閉校。2021年11月の再開を待ち、5か月半の訓練を経て、2022年3月に卒業しました。
メカニックに憧れて
Kくんは、西部ラカイン州のアン郡の農村出身で、現在25歳のチン族です。彼は、7人家族で両親は農業に従事しています。彼は、5人兄弟の上から2番目です。
家族を支えるために、高校を卒業せずに村でバイク修理見習いの仕事見つけ働きました。その後、知り合いの紹介で、ヤンゴンでトラック修理見習いの仕事を見つけ働いていました。トラック修理の仕事を通じて、自動車整備に対する興味が高まり、パアン技術訓練学校のことを知り応募用紙を提出しました。
クラスメイト激減、でも充実した学生生活
パアン技術訓練学校があるカレン州パアン市に来たのは、生まれて初めてでした。学校生活は、自分とは違う民族と知り合い、ともに学ぶ仲間ができ、自分の好奇心が満たされる充実した時間を過ごせました。途中、コロナで学校が閉校したときは、いつ学校に戻れるのか心配でした。
30名いたクラスメイトが、学校が再開した後は10名に減っていました。学校では、理論だけではなく実際に車を毎日、触りながら技術的なことを学べたのがとても良かったです。5人1グループになって車1台を教材として学びました。これにより、実際の作業に近い状態で学ぶことができました。それ以外にも、学校ではさまざまな学びの機会を提供してくれました。中でも、スポーツ大会は楽しいイベントでした。
すぐ興味のある仕事が見つかる
入学した時から、卒業したら自動車整備に関する仕事につきたいと思っていたので、学校に求人情報が張り出された時はすぐ先生に相談しました。学校と会社が面接日程を調整してくれてヤンゴンへ面接を受けに行き、採用の連絡をもらいました。少し不安な気持ちを抱えながら仕事を開始しました。先輩や同僚はみな、親切で、すぐに職場になじむことができました。現在、エンジンチームに所属して、毎日10~20台くらいの車両エンジンの点検や修理を担当しています。会社は、自分のように地方出身者には寮を準備してくれます。ユニフォームも支給されています。給与も順調に昇給し、非常に満足しています。
将来の夢は、地元に帰って自動車整備工場を開くことです。実家は、まだ車が50台くらいしかない田舎なので今のうちにヤンゴンで経験を積みたいと思っています。そのためには、資金が必要で、毎月、給与から5万チャット分の工具を買い集めています。中古の日本製工具は貴重品です。毎週、火曜日は仕事が休みなので体を休めつつ、YouTubeでメカニックの技術を学ぶ動画を見ています。
Kくんの素晴らしい成長と将来の夢に向かう情熱を感じました。彼のたゆまぬ努力と決意は将来、大きな成果をもたらすと確信しています。