グループワークの重要性とその成果 ~私の経験から~

Author: Daw Yi Mon Shein

 

 

電気科チーフインストラクターからの投稿です。彼女は、教鞭をとる前に現場で仕事をした経験があるので、その視点を訓練にいかしています。ヤンゴン生まれ、ヤンゴン育ちですが、今では年に一度しか帰省しないほど、ミャンマーの地方で自分の知識を若者に教える仕事に打ち込んでいます。

 

グループワークは、学習環境だけでなく、組織内でも非常に一般的であり、効率的な業務遂行において重要な役割を果たします。各メンバーが個々の能力に応じて役割を担うことで、業務をより短時間で効果的に完了させることができるのです。私は、パアン技術訓練学校に通う訓練生たちにこのグループワークの利点を知ってもらいたいと考え、授業にグループワークを取り入れることにしました。

 

建設現場での経験から学んだこと

まず、私自身の建設現場での経験を訓練生たちに紹介しました。建設プロジェクトには開始日、納期、資材の選定、費用計算、労働者の人数、さらにはAutoCADソフトを使って描く多くの詳細図面など、開始前に数多くの工程があります。これらを踏まえ、訓練生にとって実践的な学びの場を提供するために、平屋家屋の配線図を配布し、3つのグループに分けて屋内配線工事プロジェクトに取り組んでもらうことにしました。

 

プロジェクトの始まり:ディスカッションの重要性

プロジェクトを開始するにあたり、まず訓練生たちにグループディスカッションを行うよう促しました。当初、訓練生たちは何についてディスカッションすれば良いのか分からない様子でしたが、プロジェクトに必要なヒントを与えたところ、次第に自分たちでアイデアを出し合うようになりました。そして、それぞれが独自の意見を持ってディスカッションを進めるようになり、最終的には3つのグループが互いに競い合いながらプロジェクトを完成させました。

 

 

グループワークを通して学んだこと

プロジェクトを成功させるためには、お互いのコミュニケーションが不可欠であり、情報が不足している場合には、プロジェクト全体が再スタートや再見積もりを余儀なくされます。このような経験を通じて、スケジュール管理の重要性や、作業が遅れれば納期に間に合わなくなり、競争に敗れるリスクがあることを実感しました。

また、訓練生たちの潜在能力の高さにも驚かされました。他のグループの進捗に興味を持ち、「君たちのプロジェクトはどう?」と積極的に質問し合う姿や、自分たちのアイデアを披露し合う姿勢は非常に印象的でした。時には異なる意見で衝突する場面もありました。中には、照明デザインをより良くするためにインターネットで関連情報を調べるなど、積極的に新しいアイデアを取り入れようとする姿勢も見られました。

 

プロジェクトの結果と成長

訓練生たちは皆、グループワークを通して懸命に努力し、結果として全てのグループが最高の成果を上げたと評価しました。彼らが自分のプロジェクトに対して自信を持ち、満足そうな表情をしている姿を見て、私自身もとても嬉しく感じました。さらに、何人かの訓練生はリーダーシップを発揮し、正確な判断で適材適所に仕事を割り振る能力を持っていることも分かりました。

 

まとめ

この経験を通して、私は訓練生たちの成長を実感するとともに、グループワークの持つ力を再認識しました。お互いに意見を出し合い、協力し合うことで、個々の能力を最大限に引き出すことができるのです。そして、グループワークを通じて身につけたコミュニケーション能力やリーダーシップは、今後の社会生活や職場での活動においても大いに役立つことでしょう。

このような学びを通じて、訓練生たちが今後もグループワークの利点を活かし、成長していくことを願っています。私自身も、彼らと共に学び続け、より良い指導者でありたいと思います。

 

(訳:森晶子)