Author: Akiko Mori

2025年に入ってから、お互いのスケジュールが許す限り、ランチタイムに訓練生とおしゃべりをするようになりました。20~30分ほどの短い時間ですが、画面越しに話を聞くことで、彼らの考えや背景がより鮮明に感じられるようになりました。私にとって、新たな楽しみがひとつ増えた瞬間でもあります。今回は、そんなおしゃべりの中から、ある訓練生のストーリーをご紹介したいと思います。
電気科のKくん(21歳)—輝く目で未来を見つめて
Kくんは、エヤワディー地域の小さな村の出身。話していると、その表情は生き生きとしていて、目がきらきらと輝いているのが印象的です。
彼は地元の近くにある小さなホテルで、住み込みのハウスキーピングの仕事をしていました。そんな彼が本校へ入学したきっかけは、「家族のつながり」でした。本校の警備員として働いているおじさんから勧められ、新しい技術を学びたいという思いが芽生え、応募を決意したそうです。
家族を想いながら歩む道
Kくんの両親は、米や豆を栽培する農家を営んでいます。お姉さんはシンガポールで看護師として働き、もう5年になるのだとか。弟が2人おり、どちらもまだ学生です。
彼は週に2回、両親に電話をかけて元気な声を届けています。そして、卒業後に仕事を得たら、給与の3分の2を両親へ送金するつもりだそうです。ミャンマーでは家族を大切にする人が多いですが、Kくんもその例外ではなく、家族への深い愛情を感じさせます。
充実した訓練校での日々
訓練校での生活はとても充実しているようです。なんと、59人の訓練生全員と友達になったとのこと。毎日、放課後にはサッカーを楽しみ、週末は同じ宗教の仲間20人と教会へ行くこともできています。
以前、住み込みで働いていたホテルでは、まかないの食事はとても質素なものでした。しかし、訓練校の給食は質・量ともに満足できるもので、訓練にも集中しやすいと話していました。
「早く仕事をして稼げるようになりたい。」
そう語るKくんの目には、これからの未来への期待と意欲があふれていました。
未来への大きな一歩
訓練校での日々は、Kくんにとって大きな成長の場となっています。学んだ技術を活かし、家族を支えながら未来を切り拓いていくことでしょう。彼のこれからの活躍を、心から応援しています。