自動車整備科スタディツアーのご報告

Author: Akiko Mori

 

本校では、訓練期間中に スタディツアー を実施しています。これは、訓練生に実際の仕事場を見学する機会を提供し、 就業へのモチベーションを高め、将来の働く姿をイメージしてもらう ことを目的としています。また、経営者や先輩方との交流を通じて、 本校のカリキュラムが現場のニーズに合っているか、採用したいメカニック像を聞き取るなども大切な目的の一つです。さらに、 複数の職場を訪問することで、業界にはさまざまなタイプの職場があることを学ぶ貴重な機会 となっています。

今回は、自動車整備科の訓練生を対象に パアン市内の6つの自動車整備工場 を訪問しましたので、その様子をご報告いたします。

 

パアン市内の自動車整備工場を訪問

当日は、訓練生 19名 が指導員とともに参加し、学校で準備したお弁当を持参して ミニバスで1日かけて移動 しました。訪問した6つのワークショップは、それぞれに特徴があり、工場ごとの違いを通じて リアルなビジネスの現場 を学ぶことができました。

例えば、ある老舗の修理工場では 経営者自身が30年間メカニック技術者として経験を積み、25年にわたり工場を運営 していました。しかし、そのようなベテランの工場でも、 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が徹底されていない 様子が見られ、改善の余地があることも学びました。

また、別の修理工場では、 本校の訓練内容をよく理解しており、卒業生の採用に強い関心 を示してくれました。ここでは、 実際の車両トラブルの診断やオイル交換作業の様子を見学 することができ、訓練生にとっては貴重な実践的な学びの機会となりました。

 

さらに、一部の工場では 中型トラックの整備 も手がけており、学校のカリキュラムでは扱わないサービスについても学ぶことができました。このように、さまざまな工場を訪問することで、 職場ごとの業務内容の違いや、それぞれの強みを知ることができた ことは大きな収穫です。

また、訪問先の経営者や先輩メカニックからは、訓練生に対して 激励の言葉や厳しくも温かいアドバイス をいただきました。さらに、久しぶりの校外活動ということもあり、訓練生にとっては良い気分転換にもなりました。卒業まであと少しとなりましたが、 今回の経験を糧にモチベーションをさらに高め、残りの訓練期間を充実したものにしてほしい と願っています。

 

 

今後のスタディツアーの可能性

以前は、治安が安定していたため、スタディツアーを ヤンゴンまで実施 していました。ヤンゴンを訪れることには 「都市部での就業ハードルを下げる」という重要な目的 もありました。多くの訓練生にとって、 タイへ働きに行くことは気軽に感じられても、ヤンゴンのような大都市での就職には不安を感じる ことが少なくありません。しかし、一度でも実際にヤンゴンの様子を見ておくことで、 「自分でも働けるかもしれない」 という意識が生まれ、都市部での就職を前向きに検討できるようになります。

実際、自動車整備の仕事は 都市部のほうが求人が多く、より高度な技術を学べる環境が整っている ため、訓練生にとっては大きなチャンスです。

しかし、現在の状況ではヤンゴン行きが難しいため、スタッフからは 「代替案として、モン州モーラミャインまで足を延ばし、より充実したスタディツアーにできないか」 という提案がありました。モーラミャインはヤンゴンに比べてやや小規模ながら、都市部ならではの整備工場があり、 訓練生にとって新たな視点を得られる可能性があります 。

 

まとめ

今回のスタディツアーは、訓練生にとって 現場のリアルを知り、実際に働く姿をイメージする貴重な経験 となりました。卒業までの残りの時間を 最大限に活かし、知識と技術をしっかりと身につけてもらいたい と思います。今後も、より充実したスタディツアーを企画し、訓練生のキャリア形成に役立てていきます。

これからも、訓練生一人ひとりが希望する未来に向かって歩んでいけるよう、私たちは全力でサポートしていきます!