Author: Akiko Mori

少し前になりますが、2025年4月に卒業した訓練生60人を対象に、半年後モニタリング調査を実施しました。その結果をお伝えしたいと思います。
1か月後のモニタリングでは、11人の訓練生がリピーターとして当校に再入学していたため、全体の就業率はやや低く出ました。しかし、その後、彼らも2つ目の技術を習得し、卒業後に就業したケースが多く、半年後には全体の就業率が大きく上昇する結果となりました。
コース別モニタリング結果
コース |
入学者数 |
卒業者数 |
1か月後モニタリング内訳 |
就業率 |
6か月後モニタリング内訳 |
就業率 |
建設科 |
6人 |
6人 |
就業2・再入学1・無職3 |
33% |
就業1・起業1・フリーランス1・学生3 |
50% |
電気科 |
15人 |
15人 |
就業5・海外5・再入学1・進学4 |
67% |
就業5・海外4・起業1・学生4・無職1 |
73% |
自動車整備科 |
24人 |
24人 |
就業20・海外1・再入学3 |
88% |
就業19・海外3・起業2 |
100% |
溶接科 |
15人 |
15人 |
就業8・再入学6・学生1 |
53% |
就業10・家業1・起業2・学生1・無職1 |
86% |
合計 |
60人 |
60人 |
就業者41人 |
68% |
就業者50人 |
83% |
ミャンマーの不安定な状況により、新規投資が控えられていることも影響し、建設科の就業率は最も低い結果となりました。
電気科では、1か月後のモニタリング時点では、海外への出稼ぎ者が最も多く、マレーシアに2名、タイに3名が渡航していましたが、そのうち1名はすでに帰国し、現在はタイ国境のミャワディーで働いています。
自動車整備科は、引き続き高い就業率を維持しています。車両の輸入が止まっているため、国内にある車の修理需要が高まり、修理工場の多くが忙しい状況となっていることが背景にあると考えられます。
溶接科も就業率が高く、すでに2名が起業、さらに年度末にはもう1名が起業を予定しているとの報告がありました。
卒業生の声と近況報告
上の写真は、電気科を卒業し、パアン市内の電気関連企業に就職した卒業生です。彼の就職時期は、電力不足に対応するための太陽光パネル設置需要が高まっていた時期と重なり、忙しい毎日を送っていました。「忙しすぎて転職も考えている」と友人を通じて聞いたこともありましたが、少しずつ昇給しながら、学んだ技術を活かしてしっかりと働いている姿が見受けられます。
また、同じく電気科を卒業し、パアン市内のホテルに電気工として就職した2人も、半年後にはわずかですが昇給があり、引き続き同じ職場で勤務していました。「もっと幅広い経験を積みたい」と転職への意欲を語ってくれました。
自動車整備科の卒業生たちは、特に就業率が高く安定しています。写真は、カレン州北部出身で、現在はヤンゴンの整備工場で働くIくんです。彼は、徐々に責任ある仕事を任されるようになり、昇給を重ねながら「この道でやっていこう」という覚悟ができたと話してくれました。毎月、安定した収入を得られることに本人は大変満足しており、ご両親もとても喜んでいるそうです。
まとめ
半年後のモニタリングを通じて、当校の訓練生が技術を武器に就業・起業し、着実に社会へと羽ばたいていることが確認できました。また、就業後の継続率が高く、昇給や職場での信頼を得ている様子も多くの卒業生から伺えました。
今後も引き続き、訓練生一人ひとりの成長と安定した就労を後押しできるよう、丁寧なフォローアップを継続していきたいと思います。