Author: Gaku Manago
現在のパアン技術訓練
パアン技術訓練学校プロジェクトマネジャーの眞子です。
ミャンマー国内では新型コロナウィルスへ感染者が日々増加してきており、2020年9月27日の在ミャンマー日本国大使館の情報では、新たに880名の感染が確認されました(そのうち、ヤンゴン地域は769名。およそ約8割強はヤンゴン)。これにより、ミャンマー国内感染者総数は9,991名(退院者は2,681名)となり、死亡者数は198名となっております。タイの感染者数もあっという間に超え、最近は1日に500人以上の感染者がいるとの報告を毎日受けております。大変心配ですが、われわれ一人ひとりの行動で、少しでも被害を抑え、ミャンマーにいる全ての人に対し、安心で安全な生活が戻ることを切に願うばかりです。
さて、上記からも分かるようにヤンゴン地域での被害が多く確認されておりますが、パアンのあるカレン州では、新たな感染者数は9月26日は2名、27日も2名となっており、ヤンゴンに比べますと爆発的な感染者数の増加は見られません。ヤンゴンに比べ、高度な医療へのアクセスが難しい地域であるパアンも今後どうなるか注視しております。
私たちのパアン技術訓練学校(以下、TTS)は、3月から閉校となっており、5月の第1波の際は、新型コロナウィルス隔離施設(待機場所)の候補となりましたが、被害が大きくならなかったため解除されました。しかしながら、現在の第2波の影響により、再度、待機施設候補となり、その準備や対応に追われました。現在時点(9月末)は、まだ本校には感染者(感染の疑いがある方)は運ばれてきておりませんが、5名以上での業務をしないよう現地政府から言われているため、多くの職員はテレワーク(Zoomなどのツールを使用して)業務を行っております。
調理器具に代わり、工具を持つ調理職員
プロジェクトマネジャーとしては、「訓練生がいない今だからこそできることがある!ピンチをチャンスに変えよう!」と職員に常に話してきました。われわれは、訓練生がいない今だからこそ、①先生の質の向上、②施設の管理・修繕、③新型コロナ対策、④政府にハンドオーバー準備をし、再開後により良い教育を提供できるように準備しております。各職員が①から④を達成するようにプロジェクトマネジャーとして、職員を割り振ってきたのですが、給食を作るコックさん達に何を指示しようか当初は迷いました。コックさんには、調理器具の整理整頓・棚卸、キッチンやダイニング環境のコロナ対応をお願いしましたが、ほぼ依頼した業務は終わりかけ、これはまずいと思っておりました。しかしながら、コックさんらから、校内の清掃や草むしり、施設の建設や修繕の手伝いをしたいと要望があり、猛暑の中、業務を行っておりました。正直、私自身、コック長らが包丁や鍋を持たず、ドライバーや草刈りの道具をもって活動している姿に感動しました。
将来、本校の先生となるカウンターパートの国境省職員と現在の先生であるサステナブリッジの教員がともに理論や実技を勉強し合い、議論を行い、訓練再開と将来の技術移転に向けた準備を行っています。また、空いた時間には有志を集め、マイクロソフトやAUTOCADを教えることができる教員が職員へ教育を行い、コンピューターリテラシーを自主的に深めております。
今、新型コロナウィルスの影響を受け大変な時ですが、主体性と協調性をもって、人々が前に進んでいくことが必要なのだと思います。