Author: Akiko Mori
「国際協力ガイド アジア版」のミャンマーについて執筆したのがご縁で日本の大学生に私たちの活動について講演する機会がありました。「国際協力論・ボランティア論」担当教授とは、何回か打合せを重ね、弊会のHPや先述の本のミャンマーの部分を事前に読んでもらい当日の講演の内容が理解できるようご準備いただきました。講演の1週間前にはグループワークとして質問の洗い出しをしてもらい事前に質問票を読んでから挑みました。
熱心な姿勢
教室には1~4年生の40人くらいの学生が講演を熱心に聞き入ってくれました。コロナ禍で長くオンライン授業だったのが、対面授業に戻ったので学生たちのやる気も戻っていると先生から聞きました。このタイミングで現場感が伝わるお話が聞けると学生たちのモチベーションもあがるのではということでした。
みなさんにとって馴染みのないミャンマーに興味を持ってもらうため、準備したスライドはミャンマーをイメージしやすいように写真を多用し、「宗教」「衣」「食」「民族」「土地・気候」に触れました。その後、「番外編」として、ミャンマーと日本は昔から縁があることを紹介し、以下、3点に触れました。
・第2次世界大戦中に日本兵が16万人死亡したと言われて、死体が積み重なった退却路は「白骨街道」と呼ばれた。
・戦後の食糧難の時に日本に有利な条件でコメを輸出してくれた。それは、日本がコメの自給率が100%になるまで続いた。
・世界寄付指数世界第一位(2015年)
大学生の興味
講演の内容は、「弊会の成り立ち」「ミャンマーについて」「弊会が実施する技術訓練学校の活動」だったのですが、どんなことに大学生が関心を持つのかとても興味がありました。
一番感じたのは、「違うを超える」という意味についてです。ミャンマーに長くいる私には自然にはいってくるこの言葉は大学生にとってはよく意味がわからないと感じたようです。実は、私たちの周りは「違う」がたくさんあって、意識しないと同じものでかたまったり、判断したりしていることが多いと説明した上で、弊会が運営する技術訓練学校は多くの民族が寝泊まりしながら学んでいることを紹介しました。ミャンマーは135以上の民族がいると言われていますから歴史、言語、宗教、風習、文化など「違う」だらけなんです。早く違うを超えて理解しあえる時が来てほしいと願っています。
「国際協力論・ボランティア論」を受講している学生なので国際協力の支援方法に興味を持つ方もいました。思ったより現地の人に寄り添っているとか、政府にいいものを押し付けるのではないとか、将来的な自立を見据えた支援が重要であるといった気づきを感想メモに書いてくれました。
私の経験を聞いてくれて、興味をもった内容について調べてみたいと書いてくれた方もいました。世界を広げるお役にたてたのならうれしいと思いました。大学生からの感想ノートが素晴らしかったので全文掲載してご紹介したいと思います。私にもとても刺激的な時間になりましたので後期にもお邪魔して多くの大学生と触れ合いながら学びを深めたいと思っています。