Author: Gaku Manago
ごあいさつ
弊団体にてカレン州パアンに現地駐在員をしている眞子岳(まなご がく)です。2020年2月よりカレン州パアン技術訓練学校プロジェクトマネージャーとして現地駐在をしております。まだ、現地駐在をして短期間ではありますが、駐在生活からコロナ禍、そして今後のポストコロナについて私が思ったことを書いていきたいと思います。
駐在生活のスタートと新型コロナ
何事にも「初めて」ということがありまして、私は32歳になって「初めて」海外駐在となりました。前職では学術機関におりまして、地域研究など、特に安全な水供給について研究を行って参りました。その研究を実施するにあたり、アジア、アフリカ、南米、南太平洋などの様々な国で現地調査を実施しましたが、滞在期間は多くても2週間程度でしたので、海外での業務はシャトル的な「点」であり、「線」ではなかったように思います。
「初めて」の駐在ということもあり、緊張もしておりましたが、親切なスタッフやパアンに駐在している別の団体の日本人の方々とも交流ができ、徐々に生活に慣れて参りました。
業務についても、執筆したブログにもありますが、開校式も無事に終わり、90名の訓練生の教育がスタートしました(https://sustaina-bridge.org/new-challenge/)。こちらも徐々に慣れてきましたが、まだまだ文化や生活習慣、ワーキングスタイルなど理解が必要だと感じました。毎日が勉強であり、毎日が私にとって大きな成長への糧であり、ミャンマーの青年のための教育活動に従事することに喜びを感じて活動しております。そんな中、ミャンマー国内で業務をしていると、「新型コロナ」の問題が出てきました。
コロナ禍と技術訓練学校
新型コロナへの感染者がミャンマー国内で確認され、政府に指示により訓練生90名を自宅へ戻すことになりました。その指示は早朝に連絡があったため、パアン事務所にいるスタッフ46名が一丸となって、訓練生の帰宅方法や帰宅スケジュールの調整、チケットの手配などを連絡があった当日の正午までに済ませました。正直、このような緊急事態において、数時間で、90名を帰省させる方法からチケットの手配までをしてしまうスタッフに、着任したばかりの私には驚きでした。すぐに帰宅準備をさせ、自宅学習ができるように宿題をスタッフが作成し配布いたしました。政府からの連絡が入ってから、2日で90名の訓練生を帰宅させ、無事に自宅に到着したことも確認し、スタッフらと安堵いたしました。
その数日後、政府から技術訓練学校を検疫センターにするとの連絡を受けました。私どものパアンはタイ国境まで車で4時間程度の場所に位置し、タイからの労働者が水祭りに帰国することを予想し、帰国後の検疫期間中(ミャンマーでは21日間)の隔離先として、本校が指定されました。ミャンマーに貢献できることは非常に嬉しいことでありますが、またスタッフを招集し、検疫センターになるまで、どのように活動し、対策・準備するか議論いたしました。駐在して濃い毎日を過ごし、忘れることのないスタートとなりました。
ポストコロナについて
教育省では7月中旬当たりから徐々に学校が再開されるとの情報もありますが、今後新型コロナの影響がどうなるかは皆無であります。我々も8月から再開できることを予想し、カリキュラムの編成や、訓練生寮の感染予防対策などの準備を進めております。
このポストコロナは、新型コロナ対策として学校側運営のガイドラインがでてくることが予想されますが、ソーシャルディスタンスを保つことなど、運営側から考えると、施設のキャパシティーの問題などもあり、非常に頭が痛いです。
この新型コロナによる学校再開については、日本においてもガイドラインが議論されており、そのノウハウの共有ができると私は考えております。それは、日本人が現地にいる意義でもあり、強みでもあると思います。今後のポストコロナにおける適切な学校運営のために適切なコロナ対策情報を収取し、安全でより良い教育を提供できるように努めていきたいと思います。この新型コロナの問題は、非常に長期戦となることから、「Withコロナ」としての活動方針が今後必要と考えます。
最後になりますが、日本、ミャンマー、世界での新型コロナの問題が一刻も早く収束することを切に願います。