最近の就労動向

Author: Akiko Mori

 

 

2023年4月7日に卒業した60人の訓練生のその後の様子を知るためにモニタリングを実施しました。ミャンマーの情勢が悪化してからまもなく3年が経過します。卒業生の就労状況にもその影響がでてきている結果となりました。今回は、その結果をご報告します。

 

モニタリング結果

パアン市内、近郊で働く卒業生については、実際に職場訪問して、それ以外については、電話で様子を聞き取りました。海外へ出稼ぎにいった卒業生は彼らの家族や同級生の協力を得て情報入手しました。

 

弊会では、卒業1か月毎と半年後にモニタリングを2回実施しています。モニタリングの結果は以下の通りです。

 

コース入学者(人)卒業者(人)1か月後就業率6か月後就業率
1建設科99・日雇い 667%・就業 2
・日雇い 4
・海外 1
78%
2電気科1616・就職 10
・起業 4
88%・就業 10
・起業 1
・海外 3
88%
3自動車整備科1919・就職 13
・起業 2
・海外 1
84%・就業 13
・起業 1
・海外 1
・家業 1
84%
4溶接科1616・就職 5
・起業 7
75%・就業 4
・起業 2
・海外 3
・家業 1
63%
合計60604880%4778%
属性:就職(月給をもらっている)、日雇い(日当をもらっている)、起業(実家に戻って小規模にビジネスを開始)、家業(実家の手伝い)、海外(海外出稼ぎ)
この表には反映していないが、無職・勉強/研修・その他の8つに分けて集計

 

 

 

建設科を卒業して日雇い労働者として家屋建設に従事するAくん

 

 

溶接科を卒業してスチール加工を手掛ける会社に就職したPくん

 

 

自動車整備科を卒業して自動車整備工場のネピドー支店で働くHくん

 

 

見えてきたこと

これまでは、モニタリング時に連絡が取れないという卒業生はほぼいなかったのですが、今回は2名に連絡がつかなかったこと(実家地域が紛争地域)、僧院でボランティアをしているという卒業生が出てきました。海外へ出稼ぎに行った卒業生も変わらず、全コースにいます。

 

上記就業率は、収入の有無を基準に集計していますので職種については問いません。訓練内容と関係する仕事に従事しているかという観点で集計すると以下のように、就業率は大きく減少します。

 

建設科 22%
電気科 87%
自動車整備科 52%
溶接科 43%
全体平均 55%

 

例えば、建設科を卒業して鉱山労働者、飲料水販売&運搬者、タイの洋服店で販売員など、溶接科を卒業してタイで製氷工場従業員、マレーシアで飲食店給仕係などが挙げられます。弊校で学んだ技術を活かした仕事に就いてほしいですが、ミャンマー国内の仕事の機会が減っている現在、そうもいっていられないのが現状です。海外だと言葉の壁があって学んだ技術を活かした職種に就くのは難しいようです。

 

5月以降、訓練は実施できていませんが、学ぶ機会の提供し、稼ぐ力をつけてもらうためにも早く訓練を再開したいです。