パアン技術訓練学校

*パアン技術訓練学校のパンフレットはこちらからダウンロードできます。

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パアン技術訓練学校での取組み

カレン州における復興支援事業として日本財団の資金で始まったパアンでの技術訓練学校では、これまで教育機会に恵まれなかった同地域の若者を対象に技術訓練の機会を提供しています。

提供している技術訓練の内容は「自動車整備」、「電気」、「溶接」、「建設」の4コースで、1コース5.5か月(660時間)とし各コースそれぞれ年2回、コースを実施しています。

 

技術訓練コース名
期間
定員
自動車整備
5.5カ月/コース×2回
30人/コース
電気
5.5カ月/コース×2回
20人/コース
溶接
5.5カ月/コース×2回
20人/コース
建設
5.5カ月/コース×2回
20人/コース

訓練後は、技術訓練で得た知識、経験、技術を用い就労の機会を得ることを期待しています。そのため技術訓練内容は同地域やヤンゴンなどで需要の高い職種を選んでいます。

 

本事業の訓練内容はミャンマー政府の国境省教育訓練局が政府の標準カリキュラムとして指定されるなど質の高いものとなっており、このカリキュラムに沿って授業(学科・実技)、試験を実施しています。技術訓練コースを修了するには決められた日数以上の授業に参加する事、また試験に合格する事が求められます。

 

 

 

事業の目的

 

ミャンマー全体の開発、東西回廊の一端を担うこと、また将来の復興支援を見据え、パアン技術訓練学校は2014年にスタートしました。

その後、70年以上にわたりミャンマー国軍と武力闘争していたカレン民族同盟(KNU)やその他、8組織が2015年ミャンマー政府と停戦協定に署名した事をうけ、内戦によって教育機会を奪われた若者たちに生きていくための糧を身につけてもらう事を第一義としています。

2012年の民政移管のあとに始まった経済成長の波はヤンゴンを中心に多くの方に恩恵を与えていますが、まっとうな教育を受けた人材が不足する同地域をはじめとする停戦地域との格差は広がる一方なのが現状です。

この格差の広がりが、せっかく停戦になったこの地域の和平に暗い影を落とすかもしれないと私たちは考えています。教育にお金を使う層が増えているヤンゴンの家庭と、日々の生活にも余裕を欠く層が多い同地域の家庭では数世代の後にはいびつな状況になるかもしれず、前進しつつある和平交渉が後戻りする事が懸念されています。

経済自由化によってもたらされる負の側面にスポットをあて、様々な利害が絡んだ、微妙なバランスの上に立つ停戦間もないこの地域で、そこに住む若者に「手に職」を身につけてもらい、収入を得られるようになってもらう。そうして少しでも貧困解消や格差の是正に繋げる事が、この地域に平和と持続的な安定を根付かせるものと考えています。

 

 

インパクト

2014年1月から始まったパアン技術訓練学校はこれまで832人の青年に技術訓練を提供しました。その内、772人が卒業をし、各コース修了半年後のモニタリング調査では83%にあたる641人が就職を果たしています。うち542人は、本校で学んだスキルに関係した仕事につくことができています。(2019年8月末時点)

就職先はカレン州だけにとどまらず、商業大都市ヤンゴンやマンダレーも含まれます。就業率のうち10%は日系企業に就職しています。基礎技術のレベル以外にも安全意識や集団生活の経験などが評価され継続的に本校の卒業生を採用してくれる企業もでてきています。

 

 

自動車整備

電気

溶接

建設

コース実施回数

技術訓練参加人数

237

220

165

210

修了生数

221

209

156

186

就職者数(半年後)

191

179

120

151

学んだスキルに関連する仕事についてる就職者数

167

139

108

128

 

学校運営

パアン技術訓練学校ではいずれ現地の人たちが自らの力で運営していく事も目標の一つです。そのため学校運営にはミャンマー国境省をカウンターパートとして学校運営に参画してもらっています。

また技術訓練だけでなく、ミャンマーでのインストラクター育成にも力を入れています。ミャンマー政府の教育訓練局の職員を対象にインストラクター教育を実施しています。

技術訓練やインストラクター育成をより高いレベルで行うために、日本から専門家の方に来ていただき、訓練の質を高めることも行っています。

さらに、技術訓練に参加する生徒は全員、学校の敷地内にある寮にて共同生活を送ります。技術訓練期間中に技術訓練ばかりでなく一般教養やライフスキルも身につけてもらいます。学校行事として社会科見学や客員講師授業、スポーツ大会などを実施しており、これらの経験を通して社会人生活としての生活の質の向上につなげています。

 

実施団体変更について

パアン技術訓練学校は設立準備段階から2019年12月まで、特定非営利活動法人ブリッジエーシアジャパンにより事業運営されていましたが、ミャンマーのINGOであるSustainabridgeが運営を引き継ぎました。今後は、Sustainabridgeが事業主体主として、また一般社団法人サステナブリッジがサポート・監査を行いながら、技術訓練学校事業を運営し、質の高い技術訓練をこれまでと変わらず担保し、技術訓練を受ける生徒が将来確実に収入が得られるように尽力します。

 

 

事業地

 

■ Hpa-an Office

Hpa-an Hlaing Bwe Road, Behind Hpa-an Industrial Zone Executive Committee Office, Hpa-an Township, Kayin State

Tel: +95-9-255812475, +95-9-442581228

 

■ Hpa-An Technical Training School