現在の挑戦と成果(自動車整備科)

Author: U Kyaw Myo Oo

 

 今日は、自動車整備科のチーフインストラクターのエッセーをご紹介したいと思います。彼は、ラカイン州出身で長年、日本人専門家から自動車整備に関する技術指導を受け、自らも熱心に学びを継続し、今では年上メカニックをもまとめるチーフインストラクターに成長しました。技術を教えるのみならず、青年たちに寄り添い、卒業後も助言を惜しまない頼りになる存在です。プライベートでは、愛する妻と2人の子育てに奮闘中です。

 

モチベーションに向き合う

自動車整備科コースは2024年5月20日から開講し、24名の訓練生を受け入れています。今回の訓練を開始するまでにいくつかの困難に直面しました。本訓練に参加することを断念し、他の訓練を探したり、他の職場で働いたり、海外へ旅立つ若者もいました。そのため、本訓練を再開するとき、モチベーション(意欲、興味)の高い訓練生を集めるのに苦労しました。

 

訓練開始直後のオリエンテーションにて24名の訓練生と自己紹介の時間をもったときに、彼らの訓練参加へのモチベーションは私たちの期待よりもはるかに低いことがわかりました。

 

例えば、

1)徴兵制対象になるのを避けたい

2)仕事がなく家でじっとしているよりましだ

3)親戚の誰かが車を持っているから、この訓練に参加すれば叔父の車に不具合がおきたときに何かしてあげられるかも等々。

このように、ほとんどの訓練生は、整備士という仕事に対するモチベーションが高くなく、将来の計画もありませんでした。

           

この事実を目の当たりにして、いつも以上に訓練生と向き合い、話し合いを重ねました。日々の指導、ともに過ごす時間を重ね、訓練生のモチベーションは次第に高まっていくのを感じています。目標も徐々に明確になり、努力するようになり、整備士に関連した将来計画を持つようになってきました。しかし、理解度はまだ期待値には達しておらず、以前のコースの訓練生と比較すると、理解度は低い状態です。

 

中間試験の結果

私の予想通り、中間試験の結果は訓練生たちの理解度が目標に達していないことを示しました。目標は正解率70%以上ですが、今回は64%にとどまり、6名が不合格となりました。不合格者には励ましの言葉をかけ、モチベーションの向上を図りました。期末試験では全員が合格できるよう、インストラクターと訓練生が一丸となって学びを進めています。

 

私の想い

 

私は、訓練生たちが将来の目標をしっかりと描き、その中で良い整備士になるという夢を持てるよう、全力で応援したいと思っています。技術だけでなく、そのための心構えを伝えることも意識しています。ハングリー精神で学ぶ姿勢、いつでも疑問をもって学ぶ、新しいことを積極的に学ぶなど、私がやってきたことを伝えます。

卒業式は10月です。自動車整備科の24名全員が期末試験に合格することが目標です。彼らが、整備士として社会で活躍し、自らの力でお金を稼ぎ、家族を養っていける日が来ることを期待しています。

 

(訳:森晶子)