卒業生の職場訪問 ~地元で活躍する溶接職人・Hくんの今~

Author: Akiko Mori

 

先日、当校の卒業生(2023年4月卒業)であるHくんの職場を訪問する機会がありました。彼は現在、地元で評判の溶接職人として活躍しており、自身の技術を活かしてフリーランスで仕事を請け負っています。

Hくんが溶接に興味を持ったきっかけは、お父さんとお兄さんからの「技術を身につけた方がよい」というアドバイスでした。インターネットで「稼げる技術」を調べるうちに溶接技術に関心を持ち、近隣にある工業省管轄の基礎溶接コースに1か月参加。その際、担当の先生から「さらに学ぶならパアン技術訓練学校がよい」との紹介を受け、本校への入学を決めたそうです。教材の充実度も高く評価されていたとのことです。


Hくんに訓練中の印象を聞くと、「実践的な溶接指導に長けた指導者に出会えたこと、そして将来の働き方について多くを学べたことが大きかった」と話してくれました。

 

 

卒業後は一日も休まず働き続けており、フリーの職人として活動するには欠かせない機材一式を、少しずつ揃えてきました。彼は最優秀賞を受賞して50万チャット分の工具を手に入れたのを皮切りに、仕事で得た収入を機材の購入に充て、今では十分な設備を持って様々な現場を任されるまでになっています。

 

今回訪問した現場は、パアン市から車で約30分の村にある飼料倉庫でした。そこでは、作業員のための宿泊スペースの設置や換気用ドアの製作、さらに大型トラック用の駐車屋根の建設など、幅広い業務を請け負っているとのことです。

 

 

Hくん自身は、特に営業活動をしていないにも関わらず、丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、口コミで依頼が広がり、今では携帯電話に次々と仕事の連絡が入ってくるようになったそうです。

そんなHくんに、今後の夢を聞いたところ、「今のミャンマーでは技術に対する適正な報酬が得にくい。だからこそ、将来は海外でプロの溶接技術者として働きたい。そして、いつかミャンマーに戻ってきたら、自分の技術を若者に伝えたい」と話してくれました。

Hくんのように、自分の道を切り開き、夢を追い続ける卒業生の姿に、私の胸は高まりました。これからの活躍にも期待しています。