SDGsターゲットと私たちの取組み

Author: Kozo Seki

 

「誰一人取り残さない」を理念としたSDGs、2015年に国連総会で採択されてからメディアに取り上げられる機会も増え、そのカラフルなアイコンで理念だけではなく17のゴールもすっかり社会に浸透してきました。

その17のゴールですが、それぞれのゴールに対してターゲットが設定されている事はご存知でしょうか?そのターゲットの数は実に169に上ります。

例えばゴール1である「貧困をなくそう」では・・・

 

 

1.1

2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

1.2

2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。

1.3

各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。

1.4

2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

1.5

2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。

1.a

あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。

1.b

貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

 

と、7つのターゲットが設定されており、目標達成のための具体的な内容が明記されています。

また1.1や1.2のような数字で書かれているものと1.aや1.bのようにアルファベットで書かれているものがありますが、これは数字表記が”目標の達成”を示しておりアルファベット表記が目標達成のための”手段”を示しています。

また別の見方をすると数字が個人・企業・団体レベルで取り組める事に対し、アルファベットは国や国際機関、国際的な枠組みなどで取り組む内容となっています。

ですので個々人、各団体、各企業が自分たちでできる事をこのターゲット(特に数字表記)から探し選択することが自分ごと化への近道だと思います。

 

 

 

 

サステナブリッジの取り組み

 

サステナブリッジでは17のSDGs目標である「1.貧困をなくそう」、「4.質の高い教育をみんなに」、「8.働きがいも経済成長も」、「10.人や国の不平等をなくそう」、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に対し、活動を通じて目標達成に貢献していきたいと考えています。

そこで先ほどの169のターゲットで見た場合、サステナブリッジの活動がどのようにターゲットに影響を与えられるかについて考えてみたいと思います。

 

サステナブリッジではこれまで教育機会の少なかった僻地の若者を対象に技術訓練を行っています。ミャンマーの中でも僻地と都市部では経済、情報、教育など様々な格差があります。経済成長が著しいミャンマーではその差は大きく開きかねません。

 

サステナブリッジの取り組みは「1.貧困をなくそう」の中では下記をターゲットとしています。

 

1.1

2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

1.2

2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。

1.4

2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。


技術訓練で手に職をつける事が就職や起業につながり収入の向上や貧困の解消に貢献できると考えています。また現在は男性向けの技術訓練が主ですが、将来的には女性への技術訓練も視野に入れています。

 

 

4.質の高い教育をみんなに」では以下のターゲットに焦点を充てています。

 

4.3

2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。

4.4

2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

 

サステナブリッジで行う技術訓練のカリキュラムはミャンマー国境省教育訓練局の標準カリキュラムに指定されており、また定期的に日本人専門家を派遣し技術訓練の質の担保に努めています。現在はコロナ禍で休校を余儀なくされていますが、再開後はこのターゲットへの取り組みが加速されると考えています。また技術訓練を受ける生徒の男女比がまだまだ女性が少ない状況です。先述の通り女性向けの技術訓練の実施などが今後の課題です。

 

 

8.働きがいも経済成長も」でのターゲットは下記になります。

 

8.3

生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

8.6

2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。

 

サステナブリッジが運営をしているパアン技術訓練学校ではこれまで896人の若者が技術訓練を受け、その内836人が修了をしました。ミャンマーの、しかも一地域における人数ですので必ずしも大きなインパクトではありませんが、704名の若者が技術を身につけ就職ができ、そして社会で生きていく中で収入の糧を得られている事実はとても重要と思います。

またこれまでの技術訓練の取り組みは修了生への就職あっせんを主なフォローアップ活動としていますが、今後は修了生がそれぞれの村や町で修得した技術を使ってサービスを始められるような取り組みも考えています。

 

 

10.人や国の不平等をなくそう」では下記ターゲットをフォーカスしています。

 

10.2

2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。。

10.3

差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。

 

技術訓練の活動は直接的にはこのターゲットに作用はしませんが、ヤンゴンを中心とした大都市と少数民族が暮らす地方との格差は広がりかねず、多くの民族間の問題を抱えるミャンマーではその格差の広がりが不満や憎悪を生み新たな火種となりかねません。そのため私たちは技術訓練というアプローチで少しでも格差が広がらないようにしていく事が自分たちの使命と捉えています。

 

 

17.パートナーシップで目標を達成しよう」でのターゲットは下記に注目しています。

 

17.16

全ての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。

17.17

さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

 

現在サステナブリッジでは技術訓練事業のカウンターパートであるミャンマー国境省やドナーである日本財団との協働で事業を展開しています。

今後は技術訓練の卒業生を対象にしたマイクロファイナンスや起業プログラム、またコミュニティ開発、環境保全への取り組みなどの活動も視野に入れています。そのため私たちだけではできない事も多々あり様々なセクターの方達とのパートナーシップが必要になってきます。

サステナブリッジの理念に共感いただける方々からのご協力をお待ちしています!

 

 

 

実は存在する達成指標

 

SDGsには17のゴールと上記でお伝えした169のターゲットに加え、実はそのターゲットの達成を測る232の指標が存在しています。

17のゴール、169のターゲット、232の達成指標、これらがセットとなり初めて持続性が得られていくのだと考えられます。

私たちもゴールやターゲットだけでなくこの指標に対しても深堀りをして事業活動の指針にしていきたいです。

総務省が翻訳発表している指標はコチラ

 

 

本当は怖い?SDGs

 

SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)の課題は企業活動との相反性があった事が挙げられています。MDGsは開発途上国の課題に対し米国や日本などの先進国が援助するという形でした。そうすると途上国の課題がどこか遠い所の出来事ととらえられ、個人・企業からすると「それは政府や国際機関が担う事」といった認識が一部でありました。そのため自分ごと化するのが難しい目標だったと言われています。

SDGsではMDGsの反省を活かした作りになっており、特に地球環境の最大の責任者である企業、そして消費者である私たち個人を大きく巻き込んだものとなっています。

限りある資源が枯渇し地球環境が悪化すると経済活動も経済成長も見込めず自らを苦しめる事になります。かといって経済活動を過度に制限してしまうと貧困、格差が広がりそれだけで苦しむ人々が増えます。つまりSDGsは「地球環境も経済活動も両方が持続する社会を構築しないと人類は立ち行かなくなる」という”警告”との見方もできます。

地球環境と経済活動はトレードオフの関係ではなく両立した社会を目指していく、そのために私たちは何ができるのか改めて自分ごととして考えたいと思います。